「東大生だから就活は余裕」―そう思っていた自分が、いかに世間知らずだったか。
4年前、イオンしか娯楽がない田舎から、華やかな東京の大学生活を夢見て上京。しかし、リサーチ不足で文ロシに入ってしまうという初手からの間違い。非常に濃いメンバーに囲まれ「得難い経験」をたくさんしました。
いろいろ人生の選択肢を間違え続けた人生でしたが、気がつくと大学3年生、就活をしなければいけない学年になってしまいました。就活って今後の人生が決まっちゃいそうでなんか怖いと思いつつ仕方がなく渋々始めました。
就活は情報戦であり、チーム戦です。ソロプレイのゆるふわエンジョイ勢は東大生だろうがなんだろうが基本負けまくります。
今回はそんな自分がどうやって就活をしたのか、そしてどうしてせっかくの東大ブランドを「捨てて」スタートアップを選んだのかそんな話を書いていこうと思います。
自己分析
結論として自分はこれまでの武器を活かしつつ、自分に高い負荷がかかる環境を探すことにしました。
自分の武器を活かす
自分は文学部の学部生です。当然ながらコミュ力では日焼けしているマーチのツーブロセンター分けスポーツマンには勝てませんし、頭の良さでもブラック研究室で昼夜問わず研究をしている理系の修士に遠く及びません。
いわゆるJTCというところに行けば確かに学歴も重視されますが、それと同じくらいコミュ力も測られます。
逆に東大生に大人気のコンサルに行こうとすれば今度は理系の修士と真っ向から戦う必要があります。
東大文学部の学部生とは極めて微妙なポジションに陥りがちな存在なのです。
ただ、今までせっかく身につけてきた学歴や思考力、知識といった武器はある程度使える(評価してくれる)環境で戦っていく方が良いと考えました。
高い負荷がかかる環境に飛び込む
自分は本当に不器用な人間です。運動神経は壊滅的だし、そこまで裕福な生まれでもないし、身長は低いし、誰かに養ってもらえるほどイケメンでもないです。人よりもコミュニケーション能力が低く、世渡りも下手、お酒もほろ酔いでガチ酔いするくらい弱いから飲み会もあまり参加できない。そもそも勉強だって普通にしていると中の下くらい。生まれながらにして無価値な人間です。このままではあっという間におっさんになって孤独死ルートまっしぐら。
だからこそ、少しでも努力して人の役に立つ人間になることを目指そうと考えました。
そんな自分がこれまでの人生で東大とかいうそこそこ強い武器を手にできたのは、ひとえに自分に厳しくし続けたからだと思います。自分に対して甘えを許せない性格だったからこそ、せめて勉強くらいはできるようにと努力を続けました。
しかし、自分を律し続けるのは想像以上に大変で、大学に入って自由を手にしてからはどんどん自分に対して甘くなってしまうことが多かったです。
自分に対して厳しくあり続けるためには、厳しくしてくれる環境に行くことが一番の近道です。
そのため自分に負荷がかかる環境とはどこかを考えて企業を探していました。
就活の変遷
そんなことを考えていた自分も、最初は東大生だしなんとなく大手かコンサルに行くのだろうという漠然とした感覚から、真っ先に選択肢からがベンチャーを切りました。
当時の自分にはベンチャー=TikTokを踊らされる場所という歪んだ認識があり、思考停止で忌避感をいだいていました。
あくまでそのような会社はごく一部に過ぎないとわかっているのですが、なんとなく抵抗を感じてしまうし、選考を受けることはあっても本気で行く気はありませんでした。
実際スタートアップに行くというと同級生の中では変わり者扱いされがちです。周囲の東大生からも「圧倒的成長(笑)」と冷ややかな目で見られることも多々あります。
そのため大手かコンサルかで悩みましたが、なんとなく大手だと配属やリストラなどで会社に人生を握られるのが怖いと思い、コンサル寄りで就活を進めることにしました。コンサル就活生としてよくあるパターンですが練習でベンチャーの面接も受けていました。本当に行くことになるとは微塵も思っていませんでした。
そのような形で就活は進み、練習感覚でキャリア面談を受けていた会社の一つが現在内定をいただき、長期インターンをしている会社でした。
最初に案内が来た時はまたいつもと同じような名前も聞いたこともない会社だと思いましたが、日程が空いていたのでとりあえず説明会だけ参加することにしました。公演の内容が意外と面白く、せっかくなのでキャリア面談もしてもらうことにしました。
当時は今の会社で本当に内定をもらって働く気もなかったため、キャリア面談では正直に自分の就活の悩みなどを相談していました。あまりにも関係ないことを聞くことも気が引けたため、ベンチャーが大手やコンサルとどのように違うのかについて重点的に聞いていました。
大手と大きく異なる点としては、とにかく若いうちから色々な経験を積んで力をつけられることだと伝えられました。ベンチャーでは不安定な生き方になるため、リスクはどうしてもあるとのことでした。しかし、逆に言うと一つの会社に勤め続けることに縛られず、ライフプランの変化にも対応して小回りが聞くキャリアだと言う話をされてそれはそれで魅力的だと感じました。
コンサルとの違いについては、事業の意思決定が自分でできることが魅力だと伝えられました。コンサルでもたしかにさまざまな業界で若いうちから経験が積める点は共通していましたが、事業の意思決定についてはあくまでアドバイザーとして脇役の立場からしか事業に関われないと言う話でした。ベンチャーの人事の人が言っているポジショントークだという側面もありますが確かに納得感はありました。
これらの話からどのような会社にも一長一短があり、一番「マシ」なデメリットを引き受けて会社を選ぶしかないと言うことがわかりました。
それを踏まえて、自分は多少のハードワークなら耐えられるが自分の人生が会社に握られることは耐え難いと感じて大手を切りました。コンサルはかなり悩みましたが、自分で事業を創って動かしていくという点に強く魅力を感じベンチャー志望に切り替えました。
今の会社の選考プロセスは大手とは全く異なりました。キャリア面談を何度も重ねてキャリアの指向性が会社と一致しているか確かめられ、その後インターンイベントに参加し、人事責任者/副社長/社長の3回の面談で合格をもらいました。
初めはあまり興味もなかったのですが、選考が進むにつれて意外と東大卒の先輩方が多いことがわかりました。東大からベンチャー/スタートアップでのキャリアという選択肢があることに素直に驚きつつ興味を持ち始めました。また、そのような優秀な方々が本気で業務に取り組んでいる姿を見て、熱量の高さや組織の凝集性など今までなんとなく惰性で見てきた他のベンチャーとも一線を画していると感じました。
ここなら東大という自分の武器も評価してくれて、かつ自分に対して厳しくしてくれる環境だと考えて内定を承諾することにしました。
内定後
内定後、逆風を感じることも多かったです。両親からは「東大まで行かせてあげたのになんでそんな無名の会社に」と無言の不満をひしひしと感じました。彼女にも振られました。彼女に振られたのは自分のせいかもしれません。
そんなさまざまな逆風をガン無視して、長期インターンにコミットしてもう半年以上が経ちました。毎日が挑戦の連続で、昨日まで出来なかったことが今日できるようになる、そんな成長を実感しています。
これまでの人生で、自分は周りに言われるがままに外的要因で意思決定をしてきました。今回のように自分で自分の人生を決める選択はほぼ初めてです。自由には責任が伴い、失敗する可能性も十分あります。不安もたくさんありますが、この選択を正解にできるよう精一杯力をつけていきたいと考えています。
この記事を読む人の中には今就活がうまくいかなくて悩んでいる人もいると思います。
でも安心してください、どうにかなります。
ソルジャーになって働いてくれる東大生は需要がかなりあります。
無職になりそうで困ったらスタートアップに行く道も検討してみると良いかもしれません。
意外とロールモデルはたくさんいるし道も開けるかもしれない。
一生同じ会社に勤めなきゃいけない時代でもないし就活なんて気負い過ぎずに乗り越えちゃいましょう。
【著者プロフィール】
T.Aさん
2021年 東京大学文科三類入学
2025年 東京大学文学部卒業予定
2025年 IT系スタートアップ企業入社予定
